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◇カメラマンの求人は意外と多く、内容を選ばなければ仕事には困らない。
ただ、よくあるブライダル撮影などは拘束時間も長く、1日働いて2万円位にしかならない。
しかも機材は自分持ち。最低フルサイズのカメラ2台、大三元レンズ3本、
ストロボ2台が必要なので安く上げても100万円はかかる。8時間ほど働いて、
実質時給は2000円というところだろう。それに福利厚生などが付くわけでは無いので、
フリーランスのカメラマンとしては「生活できる最低ライン」だと思う。病気になれば収入はもちろんゼロ、
会社員の3倍は年収が無いとフリーランスは安定しないという。
◇取材撮影、商品撮影など外部に発信するための仕事は、単価が高く、
時給で言うと1万円というのが相場だ。半日拘束で3万円、1日で5万円、
5日間だと20万円というのが常識的な線だ。個人レベルで考えると少々高く感じるが、
撮影に関するカメラマンの著作権などを含めての報酬であるから高いとは思えない。
多忙なカメラマンは別として、年間200日働いて売り上げが1000万円、事務所の維持に200万円、
機材に100万円かかるとして、いわゆる営業利益は700万円ほどにしかならない。
要するに不安定な職業なのに年収は会社員と変わらないということだ。
◇周りの多くのカメラマンに年収を聞いてみると、専業で要領よく撮っている人で600−1000万円くらい。
コマーシャルなどで売れている人でその倍くらいだ。
また、筆者に言わせればスキルや営業力が足りないだけだと思うが、
一生懸命やっているのに200万円くらいで、それでは暮らせないのでカメラマンを廃業し、
今は派遣で写真関連の仕事をしている人もいた。
◇1990年代のバブルの頃、写真はまだフィルムで撮影や現像が難しく、
大判で撮れるようなカメラマンは非常に重宝された。ギャラはウナギのぼりで、
年収が3000万円位のカメラマンがゴロゴロいたそうだ。今はデジタルで撮影が簡単になり、
カメラマンバブルも崩壊。売れている一部の人でも2000万円というところだろう。
◇スマホで写真に興味を持ち、カメラマンを目指す人が増えたと感じる。昔のように暗室、
スタジオワークを覚えなくても手軽に写真が撮れるからだ。筆者はこの夏も写真の学校のワークショップでプロの卵と一緒に撮影実習に3日間ほど参加する。みんな安くない参加費を払って実習に来るわけだから真剣そのもの。機材も自前で最高級のものを持ってくる。ただ、プロと名乗っている参加者で「この人大丈夫か?」という人がたくさんいる。撮影技術はもちろん、対面的な問題、服装、態度など問題山積みで、いきなりフリーランスでは食べて行けないと思うのだ。
◇クライアントの意を汲んで撮影するには毎日現場に出ても3年くらいはかかる。
写真のレタッチに関しても1日30枚くらい扱って2年くらいかかるだろう。ライティングもスタジオ、
室内、店内、屋外、商品撮影など全部こなせるには2年くらいはかかる。
いくら写真に自信があっても総合的に見て5年くらいは必要なのだ。
◇やはり20代から経験を積み、30歳前後で独立というのがカメラマンの王道であって、
「会社が嫌になって好きな写真をやりたい」ではきびしい世界だと思う。
先に時給1万円と聞いて「悪くない」と感じた方もいると思うが、それまでの下積みの数年間が、
家庭を持つ30−50代の人では食べて行けない。
やはり下積みは20代の独身の時に済まさないとダメだろう。
身近に接している人に料理人、芸能人、音楽家、スポーツ選手などがいるが、
どれも好きだからと言って中年から始めて頂点を極められる職種は無い。下積みを若い頃に経験して、
中年で頂点を極めるというのが王道だ。一生の長さ、
知力や体力のピークなど人のDNA情報に抗って仕事をするのは到底無理なのだろう。

うわさの阪急中津駅(大阪市北区)まで行った。
「黄色い線の内側でお待ちください」と言われても 40cmほどしか
無く、ホームの西の端は「内側」が無い
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