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◇読売新聞写真部には「芝生(しばふ)」と呼ばれる場所がある。
現在の銀座・仮社屋へ移転した時も、レイアウト表に「芝生」と書かれた3畳ほどの謎のスペースがあった。
正確にどれくらい前からあるのか知らないが先輩たちの話を聞くと、少なくとも30-40年くらい前にはすでにあったらしい。
引越し業者に意味をよく聞かれるが、やはり「芝生」がぴったりするので、表現は変えずに丁寧に説明することにしている。
◇「芝生」とは、カメラ機材を置く平らな台のことを指す。
カメラマンは出社すると、機材点検をしていつでも持ち出せる状態で、その台に駐機させておく。
いざ出動となるとそこから持ち出すのだ。カメラ、パソコンは基本的にはすべて個人貸与品なので、
自分で機材はしっかり管理するという流れだ。出動命令が出ると場所や状況の把握をしてから5分くらいで現場に向かう。
大事件になると、とりあえず最小限の機材を持って一陣が出動し、機材を揃えた二陣が追いかけるということもある。
◇なぜ「芝生」と呼ぶか?それは台の上にカーペットが敷いてあり、芝生のように見えるからだ。
機材の落下に対して衝撃を吸収できるようになっている。また台の端は機材が床に落下しないように
高さ5cmくらいの枠が取り付けられている。下は三脚、望遠レンズなどが収められるようにできており、
見た目は悪いが十分に機能的なのだ。意外とスペースを占有するので、別のものに代替できないかという話もあるが、
これ以上のものは考えられない。
◇15年ほど前に現在の「芝生」(何代目なのだろう?)は作られ、そろそろ新しく作り直すという話もあるが、
特注品なので軽自動車1台分くらいの費用がかかるという話だ。2014年にはきれいな新社屋が完成するが、
汚い「芝生」のまま引っ越すことになるだろう。
◇出社時や取材からカメラマンが帰ってきた時、「芝生」コーナーはカメラのチェックなどで数名が集まることが多く、
情報交換の場になる。ちょうど上司から離れた場所にあるので、話の内容はご想像の通り、噂や陰口で盛り上がることが多い。
日テレで「アナ給湯室」と称してアナウンサーのタメ口を放送する番組があるが、まさに同じような状況になるのだ。
一見、情報の最前線を行く新聞社のように思えるが、盛り上がる情報は上司や業界の陰口ばかりで、一般の会社と何ら変わりはない。

先日、管先生がポートフォリオレビューを行ってくれた。会員は大感激!

芝生の下には機材が収納できるようになっている

これが芝生、こんなのが家にあったら邪魔でしかたないだろう
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