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◇フィルムが売れなくなった話をよく聞く。
世界で昨年売れたカメラでデジタルは約1億台、対する銀塩は約80万台
ということで、120人に1人の変人しか銀塩を買わないそうだ。
特に若い層は携帯電話の延長線上にデジカメがあるので、銀塩の
出番はない。先日、実施した暗室教室では日頃使わないフィルムなので、
生徒さんたちは売っている店を探すだけで苦労したそうだ。
それくらい銀塩のフィルムは売れないし、売る店も少なくなってきたということだ。
◇これらの変化により、当然ながら写真業界では勢力図が変わる。
撮った写真はパソコン画面で見たり、プリンタで簡単に出力したりす
るのでラボの仕事が減る。5年くらい前はプロラボへ現像を持って行くと、
すごく待たされたものだが、今は客もまばらで開店休業状態である。
景気の良いプロラボの話を最近は聞いたことがない。
しばらくは生き残り競争で寡占化が進むであろう。
◇じゃあ、フィルムメーカーはどうしているかと言えば、
コニカはミノルタと合併してフィルム事業から撤退してしまった。
アメリカの国営企業とも言えるコダック社は必死で感材からの脱却を計ったが、
デジカメへの移行がうまく行かずこれも瀕死状態のようだ。
富士フイルムも例にもれずフィルムが売れないらしい。
富士フイルムの人に会うと「フィルムが売れなくて大変ですよ」
と挨拶のように言われる。じゃあ富士フイルムで経費節減、
リストラの嵐が吹き荒れているかと言えば、そうではなく業績
が悪いようにはあまり見えない。東京ミッドタウンの真ん中に
立派なギャラリーを構えるし、写真コンテストの主催や協賛も変
わらず続けてくれている。某プロラボのように過去の栄光で積み上
げた資本を切り崩している様子もない。昔と変わらず写真文化の下
支えを行ってくれる良い会社なのだ。
◇第3四半期(10-12月)の富士フイルムの業績発表があり、
その謎が解けた。実は液晶パネル用のフィルムや医療画像関連で儲かり、
その売り上げは過去最高、円安が寄与して輸出も絶好調とのことだ。
主力と思われている写真の感材関連は全体の4%くらいの売り上げ
しか無く、社名に「フイルム」こそ付いているが既に感材メーカー
では無いのだ。筆者を含め周りがフィルムの売れないことを勝手
に心配しているだけで、当事者はデジタル化が進むことなど既定路線なのだ。
◇先日も富士フイルムが大手の医薬品メーカーである富山化学を
買収する発表があった。成長が見込める医療関連の充実を計るそうだ。
過去に積み上げた3兆円以上もある資本を投入して、完全に銀塩とは
別の世界で利益を叩き出す。写真界でデジタルだ銀塩だとかまびすし
く議論している姿を富士フイルムはあざけり笑っているのかもしれない。
----桜を撮るぞ----
◇漠然と春になると桜を撮りたいと思うのであるが、平日は仕事、休日は
人ごみで撮る気にならず気がつくとGWになってしまう。
これじゃイカンと思うので今年は「東京の桜」とテーマを設けて
撮ってみようと思う。4月のコラムではそれらの作品を紹介する
つもりだ。

ここで子供が登ってくるようなカットがよくコンクールで入選する
 千鳥ケ淵の夜桜
 バックが暗いと桜の花びらが映える
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